雨が続くと、つい気分も沈みがちになる。傘を差して歩くのは面倒だし、洗濯物も乾かない。けれど最近、雨の日にもちょっとした楽しみがあることに気づいた。
ひとつは、窓際で雨音を聞きながら飲む温かいお茶の時間だ。普段は何かをしながら飲んでしまうコーヒーやお茶も、雨の日は不思議と「ただ飲むこと」に集中できる。雨粒が窓を伝う音、遠くで聞こえる車の音、そういったものが少しだけ穏やかな時間を作ってくれる。
もうひとつは、傘を選ぶ楽しさだ。何本か持っている傘の中から、その日の気分で色や柄を選ぶ。子どもの頃は嫌だった「傘を差す」という行為が、大人になった今は小さな選択の自由として楽しめるようになった。
梅雨はいつか明ける。だからこそ、今のこの時期にしかない景色や音、感覚を大事にしたいと思う。雨の匂い、紫陽花の色、湿った空気——これらは晴れの日には味わえないものだ。
不便だと思っていたことの中に、実は小さな贅沢が隠れている。そんなことを、この梅雨の季節は教えてくれる気がする。
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