布団に入って明かりを消したあと、ふいにその考えがやってくる夜がある。「私、こんなにがんばっているのに、何も変わっていない気がする」。日中は忙しさに紛れて考えずに済むのに、静かな暗闇の中では、その声がやけに大きく響く。
スマホを開けば、同期が昇進したとか、友達が新しい挑戦を始めたとか、誰かが夢を叶えたとか、そんな知らせばかりが目に入る。みんなが軽やかに前へ進んでいくのに、自分だけがずっと同じ場所で足踏みしているように感じてしまう。
でも、思い出してほしい。植物の根は、土の中で伸びている間、地上からは何も見えない。芽が出るその日まで、外側には変化がないように見える。あなたの努力も、いまはまだ土の中で根を張っている途中なのかもしれない。
報われるまでには、どうしても時間がかかる。しかも成長というのは、自分ではいちばん気づきにくいものだ。半年前のあなたが今のあなたを見たら、きっと「ずいぶん遠くまで来たね」と言うはずだ。ただ、毎日少しずつ変わっているから、自分では差に気づけないだけ。
「報われない」と感じて苦しくなるのは、あなたがちゃんとがんばっている証拠でもある。どうでもいいことに、人は悔しさを覚えない。その痛みは、真剣に向き合っている人だけが持てるものだ。
だから今夜は、もう考えなくていい。答えを出さなくていい。まぶたを閉じて、ただ眠ろう。明日のあなたは、今日より少しだけ、前にいる。それはきっと、目には見えないけれど、確かなことだから。
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