朝五時に起きてランニングをして、シャワーを浴びて資格の勉強をする——そんな「理想の朝活」に、私は三回挑戦して、三回とも敗北した。目覚ましを止めた記憶すらない朝もあった。布団の中で「また続かなかった」と自分を責めるところまでが、お決まりのコースだった。
四回目に変えたのは、起きる時刻ではなく、目標の大きさだ。「いつもより15分だけ早く起きる。やることは決めない」。ルールはそれだけにした。
15分早い朝は、思っていたより静かだった。お湯を沸かして、白湯だかコーヒーだかを片手に、ただ窓の外を眺める。ニュースも開かない。予定も確認しない。一日がまだ誰のものでもない時間が、そこにあった。
不思議なもので、「何もしなくていい」と決めた朝のほうが、続いた。気が向けばストレッチをするし、本を数ページ読む日もある。でも、しない日があっても失敗にならない。失敗のない習慣は、やめる理由がない。
朝活の価値は、生産性ではないと思う。一日の最初の15分を、会社でも学校でもなく、自分に渡すこと。それだけで、同じ通勤電車が少しだけ違って見える。まずは15分。今夜、目覚ましをほんの少しだけ早くセットしてみてほしい。
← 記事一覧にもどる